それぞれの行方

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-GLODIAに携わった人々や会社-
よく見てみると、実にいろいろな人が出入りした会社だと分かる。
有名なところでは、エメドラ前後の飯淳氏、木村明広氏。
GLODIAを抜けた後、元パンドラボックスの人と共にライトスタッフを設立。
第1作としてRPG「アルシャーク」を制作している
(GLODIA時代から構想はあったらしいが)。
ヴェイン前後、ZAVASII前後もいろいろだ。
またGLODIA休眠後、同社に関連していた人々はさまざまな方面へ散らばっていった。
これら、同社に関わってきたもろもろを、分かる限りで列挙しよう。


人々


池亀治
 グローディア社長にしてメインプログラマ&ゲームデザイナ。サバッシュで始まり、エメドラ辺りでようやく実用、ヴェインIIできわめつけを見せた氏のRPGシステムは、今でも追従するものがないと思う。特に相談コマンドと、タクティカルコンバットシステムは優秀だった。
 また、高圧縮技術で実現された広大なマップと長いビジュアルシーン、多重スクロールや3Dなど、いずれも88レベルから実現させていたことが記憶に残る。これら、氏のゲームデザイン&プログラミングセンスは、非常に素晴らしいものだったと今でも思う。氏の復帰を心から願う。



加藤久人 J.D.加藤
 テスタメント、エメラルドドラゴンの発売元であるバショウハウスの社長。テスタメント、サバッシュ、エメラルドドラゴンに関わり、同作品のプロデュースだけではなく、シナリオなども実は行っていた。「ドラゴン創世記」を最後にゲーム製作を終了。3DO版DOOMなどの販売も行なっていたが、現在のメインの仕事は編集プロダクション。


桑田浩之 ホエー桑田/木工Quarter
 GLODIA最初期スタッフにして池亀氏と共にライレーンをプログラム。後にX68000担当プログラマに。エメドラをたった1年間でしかも1人でX68000に完全移植。バグバグと謳われた88/98版とは一線を画し、ほぼノーバグプログラムを実現させた男。バーンウェルトのシナリオアレンジ・サブプログラムなどを行った後、ディファレントレルムでメインプログラマを担当し、あれほど嫌っていた98プログラムを行う。その後、バイブルマスター2なども担当した模様。
 「もーすぐ40。いまだに現役メインプログラマでPS2ソフトを作成中」だそうです。すげえ。


恋瀬信人 佐藤修/岡村宏美
 日本テレネットでファイナルゾーンや女神転生などの曲を手がけるかたわら、ライレーン、テスタメント、サバッシュなどを手がける。エメドラ、ヴェインではその才能をいかんなく発揮、恋瀬サウンドの極みを見せてくれた。GLODIAのRPGに氏は欠かせないと思う。
 後期GLODIAでは姿を見なくなり、その存在を最後に確認できたのはアルヴァリーク冒険記。個人的に最も好きなコンポーザーなのだが……現在不明。別名に、岡村宏美や佐藤修など。プログラマ佐藤修としてMusicドライバやZAVASIIを制作するなど多才。


飯淳
 エメドラのシナリオ担当。ライトスタッフ設立後は、アルシャークや「フィーンドハンター」、エメラルドドラゴン(PC Engine版)などを手がける。
 後にメディアワークスへ移籍、「エメラルドドラゴン(SFC版)」「聖夜物語(ハドソン。PCE)」「エイナス ファンタジー ストーリーズ(SATURN)」などを手がける。現在小説家として活躍。主な著書に「エイナス ファンタジー ストーリーズ」がある。


木村明広 ニコマート木村
 ポプコムの常連投稿者だったが、サバッシュのオープニングビジュアルでGLODIAに参加。エメドラでその絵を大発揮する。その後、アルシャークやフィーンドハンター、「アルナムの牙」などのキャラクターデザインを担当。アルナムの牙ではシナリオも一部手がける。
 RIGHT STUFFをやめた後、イラストレーター/マンガ家として活躍。主な著書に「プロジェクト・リムーバー」「I Wish」(共にメディアワークス)。現在は、月刊サンデーGX(小学館)にて「サイコトレーダーちなみ」連載中。


高橋充
 テスタメント、サバッシュ、エメドラと、初期GLODIAのマップやグラフィックを手がける。エメドラの後に独立し日本アートメディアを設立、「アレサ」シリーズを制作する。現在も同社にてゲーム制作に携わる。


佐藤天平
 日本テレネットのゲームを経てエメドラよりGLODIA作品に参加。ヴェイン、バイブルマスターなど数多くのGLODIAゲームを手がけたミュージックコンポーザー。またRIGHT STUFFのアルシャークの曲も彼の手によるもの。ノリのいい天平サウンドは聞いていて楽しい。
 現在は、DTM系の雑誌などで活躍している。


薮田淳史
 ヴェインドリームのシナリオ担当。この人の作り上げた世界は凄かった。ヴェイン以降姿を隠し、現在不明(いや、某所で同名の人がいるようですが……)。元ポプコムのライター。


古村聡 (で)
 ヴェインドリームのシナリオ・サブ担当。当時ソフトバンクより発行されていたX68000雑誌「Oh!X」のライターでもある(マオトネルの道具屋が「オーエックス」なのは彼の仕業? かと思ったら、GLODIAの近所にあったオダキューOXからのものだそうです。失礼)。ディスクC(88版。モスガル〜キルキア辺り)をほぼ担当した模様。


桑園琢也
 木村氏が抜けた後のX68000版エメドラのビジュアル担当以降、GLODIAのRPGのグラフィックを担当する。個人的にかなり好きなイラストレータ/キャラクタデザイナ。ヴェイン、ヴェインIIのキャラクタデザインは好きでした、マジで(パッケージじゃないよ、本編だよ)。


山本利雄
 「バーンウェルト」のイラストを担当。独特の線のタッチというか描き方はおもしろい、と感じたものでした(マニュアルに線画が載っている)。GLODIAなきあと、ゲームの制作に関わったり、システムプログラマをしていたらしい。


有沢夏巳
 「バイブルマスター」シリーズ、「サバッシュII」などのキャラクターデザインを担当。当時はマンガも描いていたらしい(「朧伝」「龍星天女-DRAGON」だとか)。現在は、プロキオンに所属。PS用ゲーム「レガイア伝説」のキャラクターデザインなどを行う。
 参考ページ


中村一気
 ヴェインドリーム(88/98版)以降のGLODIAゲームミュージックに携わる。GLODIA、といったら中村氏、という世代の人もいると思う。よく短期間にあれほどの数をこなせたものだ、と感心する(後期GLODIAのソフトリリース数はかなり異常)。ベタなゲームミュージックという感じではなく、独特の曲世界が特徴的。
 現在、ABREATHというレーベルを手がける。


三宅邦治
 GLODIA後期のゲームシナリオ(アルヴァリーク冒険記など)を担当。サバッシュIIではシナリオプログラマーも務める。「ドキュメントのおじゃま虫」は、マニア間では有名。
 現在、ゼロシステム所属


池高生
 98&TOWNSプログラマ。ヴェインドリームTOWNS版は彼の手によるもの。サバッシュIIにて採用されたMS-DOS互換の独自DOS、GDOSシステムなども手がける。
 現在、ゼロシステム所属


佐藤一弘
 GLODIA後期のゲームシナリオ(ヴェインドリームII、ディファレントレルムなど)を担当。
 現在、スタジオポラリス社長


海野純一
 バイブルマスター2のシナリオライター(スイマセンほとんどやってないのでゲームのことは良くわかりません)。どうやら、某所での私(a.k.i)の先輩にあたる模様。実際に会ったことないんでなんともいえないが……。


会社


バショウハウス BASHO HOUSE
 GLODIAとは深い付き合いのあったソフトハウス。自社内で制作というよりも、総合プロデュース的なことを手がけていた。「ドラゴン創世記」を最後に製作終了。現在は編集プロダクションとして活躍中。


日本アートメディア JAPAN ART MEDIA
 テスタメント、サバッシュ、エメドラと、マップやグラフィックを手がけてきた高橋充氏が独立して作った会社。会社設立は、エメドラ88版発売ちょい前。
 主な作品に「アレサ」シリーズ。マップのチップが、まんまエメドラだったので「ああっ!」と思った記憶がある(当時は確信なかったけど、今見るとまんまですなあ)。


グローディア GLODIA
 88メインで始まったソフトハウス。後に、98、X68000、MSX、FM-TOWNSと幅広く手がけていくようになる。
 荻窪に本社があったが、終焉のほんの少し前に新宿に移転していた。
 今にして思えば、後期のミス・フィリアコンテストや、シングルCD発売は会社としてかなり壊れていたと思う。


日本テレネット TELENET
 池亀氏をはじめ、桑田氏、恋瀬氏、佐藤(天平)氏など、初期グローディアのスタッフが参加していた会社。


ライトスタッフ RIGHT STUFF
 エメドラの一部のスタッフと、パンドラボックスの一部スタッフが創立メンバーを務めたソフトハウス。
 アルシャークの後、フィーンドハンター(PC Engine)、レヴァリィ(PC-98)などの個性的なゲームを制作。PC Engine版エメドラも制作(それ以前にGLODIAもFM-TOWNS版エメドラを制作。同じエメドラなのに、絵も声も違うのね)。99年に消滅。


新企画社 SHIN-KIKAKUSHA
  ポプコムの制作会社。
 サバッシュ、サバッシュIIではポプコムから。ヴェインドリームのメインシナリオはポプコムのライター、薮田氏。バショウハウスは元々ポプコムとつながりがあった。とまあ、こんな関係図。
 でもPOPCOMはいい雑誌でした。そういえば、飯島健夫氏が連載もしてましたねえ。


小学館 SHOGAKUKAN
 ポプコムの版元。
 簡単にいうと出版元。ポプコム自体の企画制作は、新企画社。出版というのは、流通に載せなきゃいけないわけで、流通コードを持っていない会社は流通コードを持っている会社に販売を委託せねばいけないわけだ(この場合雑誌なので「雑誌コード」)。
 メディアワークスの雑誌が、主婦の友社から出ていたりしたのもそういうこと(現在は角川に移行。主婦の友社自体が流通をすべて角川に委託したためもあるが)。


メディアワークス MEDIA WORKS
 角川書店の人々が飛び出して作った出版社。春樹氏vs歴彦氏の構図だったが、あの事件で歴彦氏が角川書店に戻ったりして、よく分からないまま現在に至る。社内でもそのことは触れちゃいけないことのよう。
 飯淳氏がライトスタッフを辞めて、メディアワークスに行き、SFC版エメドラを制作。


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