キルデールの町から魔軍が去った翌日、町はお祭り騒ぎだった。 町中が魔軍を追い払ったアトルシャン達を英雄としてもてなしたのだ。 酒場での宴は苦難続きの彼らにとって、しばし時間を忘れられるひと時だった。 慣れないイシュバーンの酒に酔ったアトルシャンはドラゴンへと戻りタムリンに絡み、カルシュワルにいたっては突然裸踊りをはじめる始末。 ヤマンだけが終始普段と変わらぬ生真面目な態度だった。 数刻後、宴も終わり一行がすっかり上機嫌で宿屋の手前まで戻ってきたその時、微かな風きり音の後一本の矢がヤマンの左胸を貫く。 と同時に建物の裏手に隠れる影が一つ。 「ちくしょうめっ!」 ひとこと言い捨てて影を追うカルシュワル。 先程まで裸踊りをしていた男と同一人物とは思えない程の真剣な目に怒りの炎がちらついていた。 「アトルシャン! ヤマンがっ!」 カルシュワルのすぐ後を追おうと一歩踏み出したアトルシャンの背にタムリンの悲痛な叫びが突き刺さる。 一瞬で振り返りヤマンの元へ駆けつけるが、かけがえの無い友を一人永遠に失ったことを悟るアトルシャン。 「惜しい男を亡くしたな…」 突然後ろから掛けられた声に「ハッ」としてアトルシャンが振り返るとそこには、月の光に照らされた一人の長身の男が立っている。 男はダークグリーンの長髪を背に垂らしゆったりとしたローブを身に纏っている。 顔の表情は目深に被った鍔広の帽子とその鍔の陰になって解らない。 「あなたは?」 アトルシャンが男に問う。 「私の名はサオシュヤント、魔将軍オストラコンに奪われし我が弓を取り返す為旅をしている。」 男が答える。 「サオシュヤント… 弓… !!」 アトルシャンはその時初めて男が背負っている長弓に気づく。 「貴様… か…」 アトルシャンの声がかすれ、震えを帯びる。 (著者・注 長くなりそうなので以下二人の会話のみ抜粋) 「貴様か…」 「えっ?」 「貴様がヤマンを殺したのか…」 「なっ… 何を言っているんだ君は…」 「とぼけるなっ! 貴様がその背に背負っている弓でヤマンを射たのだろっ!」 「待ちたまえ、君? 酔っているね… 落ち着いて…」 「だまれっ! 俺は酔ってなんかいないっ!」 「聞きなさい… 私の名はサオシュヤント、人は私の事を“神弓”と呼ぶ。 君もその位の噂は耳にしたことがあるだろう?その私が無闇に人を傷つけたりするはずが無かろう。」 「“神弓”の… サオシュヤント… 二つ名が示すとおりその弓の腕神業の如し… か…」 「解ってくれたか」 「……ふんっ 語るに落ちたなサオシュヤント!!」 「なにっ?」 「ヤマンの左胸に突き刺さった矢を見ろ。 寸分たがわず心臓の中心を射抜いている。 しかもたった一矢でだ。そんな芸当が出来るのは、このイシュバーン広しといえど“神弓”と呼ばれるほどの弓の腕を持つ者、すなわちサオシュヤント! 貴様以外いない!」 「そ… そんな… いいがかり…」 「問答無用! ヤマンの仇! 死ねー!」 「アーレー」 再び数刻の後、カルシュワルが魔軍の兵士の首魁を手に戻ってくる。 「アトルシャン、ヤマンの仇はとったぜ! こいつが町の住人に化けて俺達が油断する隙を狙ってやがったんだ。 …?? ところでアトルシャン… おまえが持ってるその色男の生首はなんだ?」 (ウィーン カタッ ←WINDOWの開く音) (チャチャチャ チャーチャーチャ チャチャ〜 チャチャチャ チャーチャーチャ チャチャ〜〜 ←ITEM GETの音) (アトルシャンは“サオシュヤントカスタムぼうし”を手に入れた) 「ああん、サオシュ殺(おと)しちゃった♪」
88MA2さんからの投稿でエメドラより あのシーンをこんなにしてしまうとは……。いやItemGetの曲の部分と「殺しちゃったあ」で笑わせてもらいました(^^) 確かにおっしゃる通りに、ヤマン、不憫なやつよのう、と思ってました。葬儀の場面も一瞬でしたしね。しかもサオシュヤント、登場早過ぎ。あれ、でも68版だと葬儀のあとに登場してたような? 確認してないのでなんとも言えませんが(さすがにセーブデータが残ってないっす) コメント:書き直したら小説なのか脚本なのか、ギャグなのかマジなのか本人が判断不能のものが出来上がってしまいました。我がボツさ加減をとくとご覧あれ(笑)(88MA2)
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